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ドイウロコ / Doi Uroco


by uroco69
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やっと出た Bjork 『Voltaic』! 感想

半年以上、楽しみに待ち、
発売日が発表されては気にし、延期されては気にし、
5回以上の延期にもメゲずに、楽しみにしていた、
Bjork『Voltaic』(Amazon HMV)を漸く買いました。
4/29に入荷情報を聞き、4/30に輸入の通常版4枚組を購入(5900円でした)。

4枚組の内訳は、
Disc1:スタジオライヴというか、ライヴのリハーサルをしっかり録音したCD
Disc2:今回の目玉、ライヴDVD
Disc3:アルバム『Volta』のPV集+PV製作ドキュメント+素人の公募コンテスト映像DVD
Disc4:アルバム『Volta』のRemix集CD

★Disc2(4枚組の目玉であるライヴDVD)
見に行った来日ライヴ(ツアー後半)が素晴らしく、
ブートで見たツアー前半のグラストンベリーやコーチェラの映像より来日の方が良くって、
今回の4枚組に収録されたライヴDVDは、来日後のフランス公演のほぼフルセットだったので、
とても期待し、楽しみにしていたのですが、感想は、正直「う~ん…」。





ラストの「Pluto」「Declare Independence」は最高だけど、
バラードな感じの曲が多く、選曲に「う~ん」、
ビョーク独特のカッコイイ声の張り上げる感じや、
ドカーンと弾ける感じが少なく「う~ん」、
ライヴ本編の後に入っていた聖歌隊とのライヴに「う~ん」。

決して悪くはなく、ライヴの内容自体は、生で見たライヴと変わらないのだけど、
ビョークのあのドカーンと弾けた感じがあまりなく、
音量的にも、ヴォーカルのヴォリュームがちょっと小さめ(オフィシャル版としては)というか、
バックがうるさめというか、
何か物足りない…印象でした。

カメラを入れたのがこの日だったのか、
「Declare」でお客さんがチベットの国旗を振っていたのが重要だったのか
(ビョークはこの「自分の旗を振ろう、独立せよ!」というメッセージの名曲を、
 中国でのライヴで、「Free Tibet!!」と叫び、中国でのライヴが出禁になるみたいな事件がありました)、
理由はわからないけど、
今回のビョークのツアー内容がもっと伝わりやすい日の映像があったんじゃないかなぁと思ったり、
これなら、1日のライヴをほぼフルセットで入れるより、
選りすぐりのライヴDVDにしてほしかったなぁと不満を思ったり。


バックのミュージシャンがそれぞれ色々やっているのは、
ミュージシャン的に面白いのだけど、
ちょっとやりすぎというか、うるさいというか。
ビョークの声の調子が若干悪そうなので
(ツアー終盤のためか、ちょっとかすれ気味。
 あまり気にならないけど、ビョーク独特の伸びのある感じがない)、
それをフォローしていたのかもしれませんが。

『メダラ』のドキュメント映像を見て以来、
ちょっとミュージシャンシップが強過ぎるような印象があり、
でも、見た『Volta』来日ライヴは、そんな印象を軽く吹き飛ばすような、
「やっぱりビョークはスゲェ!!」「やっぱりビョークは神だ!!」「いや酋長だ!!」と
思えるライヴだったので、それがあまり感じられない今回のDVDが残念でなりません。
ファンだから自分的にはこれでも楽しめるけど、
このDVDを、あまりビョーク大好きでもない人が見て、
ビョークってよくわかんねーとか、やっぱり最近のビョークはイマイチだ、
と思われるのは勿体無い気がする…。

アルバム「Debut」と「Post」の曲が少なく
(「Army Of Me」と「HyperBallad」くらい)、
来日ライヴはそれが気にならなかったけど、
このDVDを見ると、原因はそこにあるのかなと思ってしまったり。

でも、これは、グラストンベリーとコーチェラのブートDVD、来日ライヴ、
を見た上での感想なので、それらを見ていない人には印象違うかもしれません。

★Disc1(スタジオライヴCD)
スタジオライヴな感じ。音はとても高音質。
内容はライヴ感はなく、ツアー直前のゲネプロ的な印象。
Disc2には入っていない「I Miss You」や「Pagan Poetry」が嬉しく
内容的にはライヴと変わらないけど、
ビョークのヴォーカルは、リハとライヴ(生で見たものと)じゃ、
全然違うなーと思いました。

★Disc3(PVなどのDVD)
PVと、PV製作ドキュメントは、高画質でPVが見られて嬉しく、
ドキュメントに関しては、
「Declare Independence」は、字幕があったほうが嬉しいけど、
なくてもさほど気にならず、
「Wanderlust」は、字幕が必要ないような製作過程を早回しした感じで、
DVD後半は、「Innocence」のPVコンテストが延々入っていて、
素人の作った映像に興味ない人には退屈かも
(色んなのがあって、個人的には楽しめましたけど、1度見ればいいかなと。
 同じ曲の映像違いなので、何度も見たいようなものでもなく)。

★Disc4(Remix集CD)
Remix集。…最高につまらない…。


日本版を買おうかほんの少し迷ったけど、
日本版1万円(Amazonで現在8200円)を、買わなくて良かった!と思いました
(輸入通常版はHMV店頭で5900円でした。特別価格みたいなシールがあった気もするけど)。

この『Voltaic』、
オフィシャルサイトでは、4枚組オンリーではなく、
単体ヴァージョン?もこれからリリースすると発表が
(4枚組をリリースした後で、これを言うのは、なかなかアクドイというか
 「それ先に言ってよ!まー4枚組を買うけどさ!」と思いつつ)、
One Little Indianは商売重視なレーベルなのだなという印象
 たしか以前にビョークのライヴCD4枚組を出した時もこんな感じだった気がする)。


購入に関して迷ってる人に薦めるのは、
マニア⇒日本版か輸入版の4枚組
マニアではなく、PVをいい画質で見たいわけでもない人
⇒Disc2(ライヴDVD)+Disc1(スタジオライヴCD)をお勧めします。

もっと言うならライヴDVDのみでも別にいいかなと。

この4枚組にはちょっとガッカリしたけど、
ビョークが元気そうで何より。

それにしても「Declare Independence」最高過ぎ。
ブートでしか見られない'96年頃の「Army Of ME」の
スカンク・アナンシーとの凄まじい共演TVライヴを超える、
ビョークのパンクな魅力が凝縮された、ライヴの目玉曲。
このDVDでは声が裏返るところもあり、それがまた逆に痺れる!!
by uroco69 | 2009-05-05 02:43 | ・CD/DVDレビュー